靴・カバンのお手入れ

「アルコール除菌」でシミができた! 革バッグ・革靴にやっていい処置&ダメな処置&除菌方法は?

この2020年夏、「革製品にアルコール除菌がかかってシミができた」「アルコール除菌をした部分の色が抜けた」というご相談が増えました。

家に帰ったら手洗い・消毒を徹底している今、外に持ち出したバッグや履いた靴の「除菌」が必要なのでは・・・と考え、革のバッグや靴にアルコール消毒をしたところ、なんとシミになってしまった!!!・・・ということのようなんです。。。どうすればいい?!助けて!という方もいらっしゃるのでは。。。

レザーケアに定評のあるミスターミニットがプロの視点でケア方法を解説いたしますね!

●1●【お店】シミを補修するのにかかる費用と納期
●2●【ご自宅】シミを緩和できるかもしれない処置
●3●【ご自宅】シミができた時にやってはいけない処置
●4●【ご自宅】衛生面が気になる今の時期おすすめのバッグお手入れ方法


では早速、説明を始めます!

●1● 【お店】シミを補修するのにかかる費用と納期

最初に宣言します。

アルコール等の薬品がかかってできたシミをきれいに直したい場合は、お客様の方で処置は一切せずに、早急にバッグの色ケアができるお店へお持ちください。

後で説明するように、シミの状態、革の種類によってはご自宅でシミ状態を緩和させられる可能性はあります。

が、いずれの方法も状態を悪くしてしまう可能性もあり、一旦革の状態が悪くなってしまうと、革の補修に長けた職人であっても原状回復が困難になる可能性が高いです。

なので、きれいに直したいバッグは「お店へGO」でお願いします!

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料金は、シミの修復だけでなく、バッグや靴全体の汚れやこすれキズ等を回復し、除菌脱臭処理をすべて行います。価格は靴で税込9,900円から、バッグで税込13,200円から。無料でお見積りします。

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補修にかかる期間はミスターミニットの店舗で( 取り扱いの店舗はこちら )、お預かりで修理いたします。※納期は変動しますのでお問い合わせください。

●2●【ご自宅で】シミを緩和できるかもしれない処置

まずはアルコールでできるシミの原理についてイラストで説明します。

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ということになります。

このシミを緩和できるかもしれない処置ですが1点注意があります。

ヌメ革や羊革等の繊細な革へは絶対に行わないでください。

今から説明する処置は「水」を使うのですが、ヌメ革や羊革は「水」に濡れるとシミができます。
ですので、革の種類に自信がない場合や、間違っても悪化させたくない大切な靴やバッグへは、この方法は絶対に使わないでくださいね!!!

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「シミ」というものを印象付けている正体は「輪郭」のラインです。

そこで、ラインをぼかすためにシミ周辺に水を染み込ませなじませることで、シミの輪郭をぼかせる場合があります。

また、革の種類によって水の浸透度は異なるので、水を含ませる場合はバッグの底面等目立たない場所で試してから行ってください。

ですが・・・自信がない、間違っても悪化させたくない大切な靴・バッグへは、この方法は絶対に使わないでくださいね!!!(2回目)

●3●【ご自宅で】シミができた時にやってはいけない処置

では次に、シミができた時にやってはいけない処置をご紹介します。

それはズバリ! シミになった部分に「革用クリーム」を塗らない、ということです。

「革用クリーム」をお持ちの方は、クリームを塗るとバッグの色が少し濃くなったと感じたことがあるのではないでしょうか。
ちょうど色が抜けた部分に、クリームを塗り込めば抜けた部分にいい感じに油分が入り込んでくれたり・・・

なんてことはありえません!!

色が抜けた部分は「染料」だけでなく「油分」も抜けているのは事実ですが、だからといって革用クリームを塗り込んでしまうと、シミの箇所だけでなく周辺へも同様に油分がプラスされ、輪郭の差を消えないままより強調してしまう可能性がありえます。

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そして、一旦この状態を作ってしまうと修復するためにお店に持っていっても、シミに入り込んだ成分を抜き出せず原状回復できない可能性が高まってしまうのです。

ただし例外的に、元々の革に含まれる油分の多い「オイルレザー」においてはシミが改善される場合もあります。

リスクが高いことを理解したうえで、もし試される場合は、バッグの目立たない部分にクリームを塗って浸透度を確かめてから行ってください。

くれぐれも自信がない、間違っても悪化させたくない大切な靴・バッグへは、この方法は絶対に使わないでくださいね!!!(3回目)

●4● 【ご自宅】衛生面が気になるこの時代に!バッグや靴のお手入れオススメ方法

最後に、衛生面が気になるこの時期におすすめのレザーケアをご紹介します。

アルコールでシミができるとしたら、この時期、一体どうやってバッグや靴の消毒をすればいいか困りますよね。

そこで、ご提案するのが「台所用洗剤を使ったケア」です。

500mlの水を用意し、そこに小さじ1杯の台所洗剤を入れて、洗剤液を作りましょう。
その洗剤液に布やキッチンペーパーを浸し、固く絞ったものでバッグ等を拭けばOKです!

詳しいお手入れ方法は経済産業省のWebでも紹介されているのでご確認ください。

経済産業省ウェブサイト「ご家庭にある洗剤を使って身近な物の消毒をしましょう」https://www.nite.go.jp/data/000109230.pdf

お家で過ごす時間も増えたであろう今、消毒の他、革用クリームも使って大切なバッグのお手入れをして過ごすのもいいかもしれませんね!

※記載の内容・金額は2020年9月時点での情報です。

※当ブログ記事で紹介した方法の実践については、くれぐれも自己責任で行っていただくようお願いいたします。