修理事例のご紹介

紳士靴の修理事例:傷やスレのある紳士靴のカラーリング補修

さまざまな修理事例を、どうやって修理するのか、どのような過程を経ているのかを動画とともに解説します。

ご依頼の概要

ブランド

SCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)

ご相談内容

傷やスレのある紳士靴のカラーリング補修

20240425_blog_scotchgraincolor.jpg

修理方法

傷やスレの目立つ、つま先にかけてキレイにします

※作業前には、消臭除菌効果のあるオゾンを発生させ、靴を清潔な状態にしています。

STEP1.マスキング処理
色補修しない部分をマスキングでカバーします。
つま先の傷を補修するので、シューキーパーを入れて靴の形を固定させておきます。

STEP2.調色
靴の色に合わせて塗料を調合していきます。
元の色を再現するため仕上がりを想像しながら数滴の微調整をしたら調色が完了です。

STEP3.下処理
油分や汚れを拭き取り、表面をヤスリがけすることで塗料の食い付きを良くしておきます。

STEP4.傷補修
革が剥がれているところは接着剤でしっかりと貼り付けます。
ヤスリをかけて、気になる凹みにはパテを埋めます。
POINT:つま先全体にスレがあるので、補修剤で毛羽立ちを抑えます。
そうすると凸凹が分かりやすくなるのでパテとヤスリで再度補修します。
大まかに補修したら、細かい凹凸を更に滑らかにしていきます。
パテを乾かして、ヤスリをかけて、色を乗せた時に表面に凸凹が出ないように色んな角度から見て修正します。
両足とも全体の毛羽立ちを抑えて馴染ませた部分に、再度ヤスリがけをして傷補修の完了です。

STEP5.下地剤の塗布
塗料を定着しやすくするために、下地剤を吹き付けます。
毛羽立ちがまだ気になる箇所は、またヤスリをかけて表面を均してから下地剤を吹き付けます。

STEP6.色補修
スプレーガンで色を乗せていきます。
つま先の傷部分は特に、厚塗りにならないように色を塗り重ねて、補修跡が隠れるように仕上げます。
全体に吹き付けてバランスを見て、傷が薄く残っている箇所には大き目の粒子を吹き付けて傷を目立たなくします。
色が乗らなかった細かい際は、筆で塗って仕上げたら色補修の完成です。

STEP7.仕上剤の塗布
全体に仕上剤を吹き付けて、乗せた色をコーティングします。

STEP8.陰影をつける
最後に、革の風合いを出す作業で、1トーン暗い色で陰影を作って革らしさを再現します。
陰影をつけた方が自然な革のムラ感が出ます。
もう片方も陰影を付けたら、左右のバランスを見て調整をします。

最終チェックをして、マスキングを外したら完成です。

傷やスレがなくなりキレイになりました。
大切な靴を、また長く履いていただけます。
ご相談ください。

修理概要

  • 修理メニュー:カラーリング
  • 金額:税込14,300円
  • 納期:約7週間(納期は時期により異なります)

※公開日時点での情報です