修理事例のご紹介
バッグの修理事例:壊れてしまった錠前の交換修理
さまざまな修理事例を、どうやって修理するのか、どのような過程を経ているのかを動画とともに解説します。
ご依頼の概要
ブランド
Time Resistance(タイムレジスタンス)
ご相談内容
壊れてしまった錠前の交換修理
修理方法
壊れてしまった差し込み錠を代替の錠前で交換します
STEP1.分解
フタ側の錠前ネジを外し、取り外します。
本体側の錠前は底面から取り出すため、ステッチを外し、断面をコーディングしているコバに切り込みを入れて、戻しやすいようにキレイに開いていきます。
開いた間に錠前が固定されているので、工具を使いながら取り外します。
両方のパーツを取り外すことが出来ました。
STEP2.本体錠前の取付
錠前の本体側を取り付けていきます。
今回は、元の差込タイプで近いものが無いため、上からかぶせるタイプの錠前に変更します。
位置を決める為に、フタ側の錠を仮止めします。
錠前を留めて取り付ける位置を確認し、位置が決まったら、固定する位置に印を付けます。
POINT:仮に取り付け位置が浅いと、本体とベルトの隙間が出来てしっかり閉まらず、深いと閉まらなくなるため、バランス良く閉まる位置で本体の錠前位置を決めます。
元穴とズレるので、ビニール板を敷いて切り込みを入れていきます。
錠前をセットして、内側に座金プレートをセットし、爪を折って固定します。
補強テープを貼ったら取り付け完了です。
STEP3.縫い
開いた底面を縫い戻します。
接着剤を塗り、貼り付けますが、この時に目打ちを使って針穴を合わせながら貼り付け、まち針でズレないように固定しておきます。
セットができたらミシンに入ります。
1針ずつ元の針穴に合わせて、まち針を抜きながら丁寧に縫っていき、同じ針穴にステッチが収まりました。
糸処理をしたら、縫いが完成です。
STEP4.フタ錠前の取付
フタ側の錠前を取り付けます。
接着剤を付けて、ベルトとベロパーツを貼り付け、フタ側の錠前を差し込んで、ネジを固定する位置の印を付けます。
元の位置とズレるので、穴を開けて錠前をセットし、ネジで取り付けます。
ねじ止め液を使い、外れにくくしてしっかりと固定したら、フタ側錠前の取り付けが完了です。
STEP5.コバの補修
最後に、開いた底面のコバを補修します。
コバにヤスリをかけて、なるべく平らにし、コバ塗料を塗っていきます。
切り込みを入れてキレイに開いたので、コバ塗り作業もスムーズに進みます。
1日乾燥させたら完成です。
丈夫な錠前に変わり、また長くご使用いただけます。
錠前交換もご相談ください。
専門用語解説
修理工程で出てくる専門用語について解説します。
- コバ:革の断面のこと
修理概要
- 修理メニュー:錠前交換
- 金額:税込16,500円
- 納期:約6週間(納期は時期により異なります)
※公開日時点での情報です