靴の修理
革靴 オールソール張り替え事例:アレン・エドモンズ(Allen Edmonds)
さまざまな修理事例を、どうやって修理するのか、どのような過程を経ているのかを動画とともに解説します。
ご依頼の概要
ブランド
アレン・エドモンズ(Allen Edmonds)
ご相談内容
すり減ってしまった靴底の修理
修理方法
削れてしまったソール全体を張り替えます
STEP1.分解
ヒールのトップリフトを外し、釘で留まっている積み上げヒールを外します。
POINT ウェルトと縫い合わせている底材のステッチを削ってから底面を外し、残ったステッチも外します。
STEP2.底材のセット
底材に接着剤を塗り、底面のカーブに合わせて癖をつけ、元の自然なカーブを再現します。
ハンマーで叩いて全体を貼り合わせますが、隙間ができるので、それをなくすようにしっかりと接着します。
余った底材をカットし、コバを削って整えます。
オリジナルヒールを元に、ヒールの位置を決めておきます。
STEP3.出し縫い
底材を縫い付けるために溝を掘り、ステッチが出ないように繰り返して深く掘ります。
溝を広げてステッチをかけやすくしてから、専用ミシンを使ってウェルトと底材を縫い合わせます。
元のウェルトと底面の溝にステッチがキレイに収まりました。
STEP4.底面、コバ仕上げ
底面を仕上げのため、ワックスをつけて底面を磨いていき、布を使い手作業で細かい部分を磨きます。
ウェルトのコバを細かいヤスリで整え、オリジナル同様、コバにインクを塗り黒色に仕上げます。
色を固定させるため、丁寧に2度塗りし、仕上げにワックスをつけて磨きます。
手作業で磨くことで、よりツヤが出ます。
STEP5.ヒール取り付けり
ヒール取り付け面を削ります。
オリジナルヒールに合わせ、積み上げ部分の高さとお椀型を削り、底面とのバランスを調整します。
接着剤を塗り、左右のバランスを見ながら接着位置を決めたら機械で圧着してから積み上げヒールに釘を打ってしっかりと固定します。
最後にトップリフトのヒール取り付けのため接着剤をつけヒールをセットし、位置を決めたら圧着します。
余分なヒール材を削って形を整え、左右のバランスを見ながらヒールが真っ直ぐになるように形を合わせます。
STEP6.ヒール、コバ仕上げ
ヒール面を仕上げで、底面と同様にワックスをつけて磨き、ツヤを出します。
最後に、ヒールに飾り釘を打ちます。
さらに細かいヤスリでヒールを整え、底材と同じくヒール材も黒色に仕上げ、ワックスをかけて磨き、手作業でツヤを出したら完成です。
オールソール修理で、ご愛用の靴を長く履いていただけます。
専門用語解説
修理工程で出てくる専門用語について解説します。
- グッドイヤーウェルト製法:靴の構造の一種で、甲革(アッパー)部分に取り付けられたウェルト(細い帯状の革)をソールに縫い付ける製靴方法です。
- トップリフト:ゴムやゴム+レザーで出来ている直接地面と接地する一番下のヒールパーツ
- 積み上げ:ヒールの高さを出すために革を重ねた部分
- 出し縫い:コバと本底を縫い合わせる作業
- ウェルト:靴の周りを縁取るように付く細い帯状の革
- コバ:ウェルトの外周に飛び出ている部分、革製品の場合は革の断面のこと
修理概要
- 修理メニュー:オールソール
- 金額:税込20,900円
- 納期:約4週間
※材料、製法によって価格は変動します。
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