靴の修理

パンプス スタックヒール革の巻替え事例:ヨシト(YOSHITO)

さまざまな修理事例を、どうやって修理するのか、どのような過程を経ているのかを動画とともに解説します。

ご依頼の概要

ブランド

ヨシト(YOSHITO)

ご相談内容

スタックヒールの削れの修理

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修理方法

削れてしまったスタックヒール全体の革を巻替えます

STEP1.分解
トップリフトと中敷きを外し、ヒールを固定しているネジと釘を外します。
POINT 釘には熱を加えて靴に負荷がかからないように外しやすくしています。
まくり部分にも熱を加えることで伸びやすいゴム素材がキレイに剥がれます。

STEP2.スタック巻き剥がし
巻いているスタック巻き革に溶剤を染み込ませ、剥がしていきます。
ヒールに残った接着剤を落とし、ダマが残らないようにヤスリをかけてキレイにします。

STEP3.巻き直し
ヒールの反りに合わせたスタックの巻き革を選び、接着剤を塗って貼り合わせていきます。
※スタック巻き革は積み重ねた革をシート状にしたものです。
そのシートを少しずつ伸ばしながら立体に合わせるので、破れないように慎重に合わせつつヒール形状に合わせてカットしながら貼り付けます。
空気が入らないように表面を馴染ませて、余分な革を大まかにカットします。
まくり側もしっかり接着して巻き直しが完了です。
革を引き締めるために硬化剤を塗り、1時間ほど乾燥させます。

STEP4.ヤスリがけ
乾くと硬くなっているのではみ出した革をカットします。
表面の凸凹をなくすようにヤスリをかけて、余分な革を削っておきます。
もう一度、硬化剤を塗り、1時間ほど乾燥させます。

STEP5.つや出し
乾いたら、ワックスをかけてツヤを出していきます。
ヤスリと硬化剤で革の密度が高くなっているので、よりキレイなつやに仕上げられます。
布で磨いたら、スタックヒールの完成です。

STEP6.ヒールの取り付け
接着剤を塗り、元の位置にセットし、まくりをヒールにぴったり合わせます。
ゴムが伸びていないので、元通りのラインでキレイに貼り付けられました。
ヒールをネジ止めし、外れないようにしっかり固定します。

STEP7.仕上げ
最後にトップリフトを取り付けます。
ベージュ色のリフトをセットしたら大まかにカットし、中敷きを貼り戻しておきます。
仕上げに削っていきます。
今回は、ヒールの形状がホームベース型なので、形に合わせて自然に見えるように削って完成です。

スタックヒールをキレイに巻き替えることができ、黒色や茶色も交換可能です。ご相談ください。

専門用語解説

修理工程で出てくる専門用語について解説します。

  • スタックヒール:革を積み上げて薄くスライスし、ヒールに巻きつけたもの
  • まくり:アウトソールがヒールまで繋がっているタイプのヒールの内側部分
  • トップリフト:ゴムやゴム+レザーで出来ている直接地面と接地する一番下のヒールパーツ

修理概要

  • 修理メニュー:婦人ヒール スタック張替え(両足)
  • 金額:税込8,800円
  • 納期:約4週間

※材料、製法によって価格は変動します。
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※公開日時点での情報です