靴の修理

修理の舞台裏見せます(カラーリング編)|準備でマスキングをする

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時折、「値段が高いこと、修理に日数がかかるのはなぜ?」というご質問・ご意見をいただきます。
修理工場に送って修理する場合は、納期が8週間など長期間必要とするものもあり、またお値段も高いものが多いのでお客様が疑問に思われるのも十分に理解できます。

この記事では「修理に時間がかかる理由」そんな疑問にお答えするために、修理の【舞台裏】をお見せします。

修理に時間(日数)がかかる大きな理由は?

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カラーリングの修理に時間がかかるその大きな理由の一つは、「カラーリングしない部分を一つ一つ丁寧に手作業でマスキングをする」からです。
カラーリングをしない箇所に色がつかないように、全てマスキングを施します。

スタッズのあるパンプスのカラーリング

スタッズがたくさんあるパンプスの「カラーリング」をしますが、スタッズ部分には色をつけたくないので、細かいマスキングの工程が必要になります。

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気の遠くなるような細かい作業ですが、この作業を怠ると塗料が金具に付着してしまいます。
際の部分にも塗料が入り込まないように、しっかりとカバーできました。

1)マスキング

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革以外のパーツや生地は、塗料が付着しないようにすべてマスキングをします。
今回は履き口に装飾されたスタッズをすべてマスキング。

2)下処理+キズ補修

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塗料の定着をよくするため、表面の油分を取り除き、ヤスリ掛けで下処理をします。
つま先の目立つキズはパテをつかい凸凹を少なくしておきます。

3)刷毛塗り

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塗料を混ぜて元のパンプスに近い色を調色し、刷毛塗りでカラーリング補修をしていきます。

4)内側にマスキング

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更に自然に仕上げるため、スプレーガンを使用します。
スプレーガンでは塗料が飛散するので、この段階で靴の内側にもマスキングをします。

5)スプレーガン塗装

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塗料を混ぜて近い色を作り、キズが隠れるように少しずつ吹き付けます。全体のバランスを見て色を乗せたら完成です。

お値段が高い理由、それはすべての工程を職人の手作業で修理しているから

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今回は、カラーリングの際のマスキングについて解説しました。色がついてはいけない箇所が多い靴であればあるほど、作業工程も多くなります。

お値段が高く感じられるかもしれません。お日にちもいただいています。

その理由を少しでも知っていただけると嬉しいです。

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