深く入れ込んで縫い直すこともできますが、内張が突っ張りすぐに同じ箇所から裂けてしまいます。今回は馴染む色の革で補強して丈夫に仕上げています。

かかとの表側のステッチ（縫い目）は似た色の糸で、縫い目の穴に合わせて縫い直しています。靴の内側の破れは革当ての修理を行いました。

革靴表面が破れ・裂け目を補修する修理です。方法は2つあり、内側から革を当てる修理方法と、表側から革を当てて修理する方法（チャールズパッチ）をご提案しました。内側から革を当てる方法は縫い目だけが表に出ます。一方、チャールズパッチは前者よりも強度がありますが、表側に革を当てるため前者よりも修理の跡が見えます。今回はチャールズパッチの方法をお選びいただきましたが、できるだけ目立たないように修理いたしました。

このファスナーは防水機能のある止水ファスナーで、表面のポリウレタンフィルムが劣化し剥がれている状態だったので、オリジナル同様の止水ファスナーを使用し交換しています。ほつれていたショルダーの付け根は内側の見えない部分で縫い戻し、全体に違和感のない自然な仕上がりになりました。

靴に合わせた糸を用いて手縫いで修理します。表面はカラーリングをいたしました。